工場などで用いられるスクラバー

スクラバーは日本語では洗浄塔と呼ばれることが多いようですが、どちらの用語にしても聞いたことが無いというか、言われてもどのようなものか想像すらつかない人も多いのではないでしょうか。これは、化学工場などで生じる排気ガスについて、そこに含まれる有害でそのまま大気中に放出することが憚られるような物質を、除去したり中和したりするための装置のことです。分かりやすい例を挙げますと、NOxと呼ばれる窒素酸化物とか、SOxと呼ばれる硫黄酸化物があります。これらをそのまま考えなしに大気中に放出しますと、雨や水蒸気と反応して硝酸や亜硝酸、あるいは硫酸や亜硫酸といった強酸性物質を生じてしまいます。

環境保全の重要性が大きな問題になっている現代社会において、このような物質を無制限に放出することなど認められるはずもなく、煙突から放出する前に何とかして取り除くなり無害化する必要があり、そこに用いられるのがスクラバーというわけです。窒素酸化物とか硫黄酸化物の場合はその性質も良く分かっていますからある意味で対処法も簡単で、大気中に放出する前に水と反応させて硝酸や硫酸にし、それをアルカリ性の物質、例えば水酸化ナトリウムなどと反応させて中和させてしまうといった方法で無害化できます。ただしこれはあくまで一例であって、煤煙などを始めとして他にも問題となり得る物質はそれこそ山ほどあり、それぞれに見合ったスクラバーが必要になるわけです。